風俗のお仕事は、お客さんとのトラブルのリスクだけでなく、うっかり風俗勤務が発覚、離婚を切り出されるなど、家族からもどんな反応が飛んでくるのかわからない職業ですよね。
一方で、夫も了解の上、風俗勤務を再開した方も少なくないと思います。中には離婚後のために黙々と働いているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
みなさんが直面するかもしれない「修羅場」にそなえ、なるべく深手を負わずに切り抜ける知恵を集めました。盛りだくさんの内容ですが、ぜひさいごまでお読みください。
夫に風俗勤務がバレた!
毎年1月から3月にかけて風テラスの相談でドッと増えるのが、確定申告のお問い合せです。
中でも
「夫の扶養に入るための収入証明はどうしたらよいですか?」
「風俗の収入を確定申告したら夫にバレませんか?」
というお悩みがけっこう寄せられます。
このご相談の背景には
「夫に内緒で風俗の仕事を始めた」
「パートに出ていると言っている」
という状況がありそうです。
裏を返せば、1年間バレずに過ごせた結果ともいえます。
それでは、風俗勤務が夫にバレるのはどんなケースでしょう?
(1)探偵調査
前回の婚前調査のコラムでも協力いただいたベテラン探偵さんによると、はじまりは夫からの浮気調査の依頼。
そこで尾行してみたところ、妻が特定の店舗やホテルに出入りしているのを目撃、風俗勤務が発覚したというケースです。
時間内に業務が完結するアルバイトと違って、在宅中もお店やお客さんとのやりとりのためにスマホを気にするようになったり、身なりを整えたり、金銭的な余裕から表情が明るくなったり、、、夫も妻の変化に気づいているのかもしれません。
「姫予約」をきっかけに店外で特定のお客さんとのお付き合いが深まると、キャストと客という関係性を越えた「不倫」だと主張されて、夫からあなた自身やお客さんに対して慰謝料を請求される可能性もあります。
(2)盗聴・盗撮
盗聴器をしかけるのは企業の次に「夫婦」が多いそうです。探偵を雇うより金額的にも手ごろなので、まずは盗聴器で探ってみるということでしょうか。
盗聴器は国内だけで年間10万個くらいが流通しているようなので、奥さんの不審な動きを察知して取り付けた盗聴器から、電話やチャットの音声を聞いているかもしれません。
お部屋に見慣れないコンセントや置物、ぬいぐるみなどがあれば注意してくださいね。ちなみに、お客さまから受け取ったプレゼントも要注意です。
(3)確定申告
風俗のお仕事は、店舗からの業務委託で性的サービスを提供する形態が一般的なので、みなさんは「個人事業主」として、自分で確定申告をする必要があります。
しかし、パートやアルバイトと同じような雇用契約だと勘違いして働き始め、夫から扶養のための収入証明を求められてパニックになる、というケースが多いです。
さらに、「業務委託の仕事ってなに?」「収入が多いのはなぜ?」という質問攻めにあうと、パートと偽っていた説明とはつじつまが合わなくなり、自白に追い込まれることもありそうです。
風俗のお仕事は、年間所得が48万円以上だと配偶者控除がなくなり、130万円以上だと夫の社会保険の扶養の対象外になります。
いさぎよく扶養から外れて、夫に細かく収入を把握されないようにするのもひとつの手かもしれませんね。
夫にバレたら離婚しないといけないの?
では、具体的に夫に風俗勤務が発覚するとどのような展開があるのでしょう。
(1)夫婦仲がぎくしゃく、暴言・暴力がエスカレート
夫婦仲がぎくしゃくするのは、いたしかたないと思いますが、「風俗嬢のくせに」「体売ってこい」などの暴言には注意が必要です。
いくら夫に隠れて風俗で働いていたからといって、日常的にこのような文言で妻を罵倒することはDVに該当します。暴言や暴力行為があった場合は、日時と状況をきちんとメモにとってください。離婚や警察介入のときの証拠になります。
ただし、身の危険を感じる場合は、無理をして証拠を集めようとせずに、すぐに警察を呼んで逃げることを優先してください!
(2)離婚を切り出される
一方で、風俗のお仕事は、ほとんどが「不貞行為」となりえます。
(民法770号1項1号)
芸能人が不倫相手との関係について「一線を越えていない」と弁解しているシーンがありますが、風俗は、異性との性的な接触が前提とされているため、「他の異性との交際(=不貞)」ととらえられてもおかしくないからです。
なので、本番あるなしにかかわらず、法的にはいずれの性的サービスも「不貞行為」として離婚事由にあてはまる可能性があります。
中には、最初は風俗で働くことを容認していたのに、何かの拍子に「風俗嬢のくせに」「浮気しているんだろう」と離婚を主張する男性もいます。
そのような場合は、夫が以前は風俗勤めを”容認”していたことを証明すれば、相手は離婚の正当性を主張できなくなります。
いきなり離婚だと騒がれても、風俗で働くことに同意していた会話やLINEのスクリーンショット、風俗で得た収入を家族の生活費にあてていた実態などを証拠として残しておくと、少しでも有利に話し合いができると思います。
(3)慰謝料を請求される
慰謝料は精神的なダメージをお金で解決する法的手段です。
妻の風俗勤務について、慰謝料を請求することはできますが、離婚しないのであれば、慰謝料を取っても夫婦の財布の中でお金がグルグルと回るだけなので、あまり意味がありません。
ただ、気持ちの区切りとして、お金を払ってもらいたいと夫が主張するのはアリなので、その場合、数十万円程度は要求される覚悟をしてください。
そして、いちばん注意が必要なのが、離婚+慰謝料請求の場合です。
たとえば、将来の離婚に備えて風俗の収入をためていたのに、風俗勤務が判明してしまうと、夫に支払う慰謝料が100~300万円にはね上がる可能性があります。
これくらい高額な慰謝料請求は証拠集めも難しいのですが、財産分与という名目でせっかくの「軍資金」を夫に半分持っていかれることもあります。
ただし、最近の裁判例には、風俗の性的サービスについて、「店舗の従業員と利用客という関係を越えた個人的な男女の関係とはいえない」として、不貞行為ではあるけれど、夫婦の関係を壊して慰謝料が生じるほどのことではない、という判断を下したものもあります。
(東京地方裁判所令和3年1月18日)
この裁判の争点は、「夫のお気に入りだった風俗嬢を相手取って妻は慰謝料を請求できるのか?」というものだったので、今回のテーマとは多少事情が異なります。
ですが、これだけ風俗業界が拡大している中で、風俗通いを一般の男女の不倫と同等に扱うのは違うのではないかという現実的な考え方が反映されています。
万が一、夫に法外な慰謝料を要求されたら、泣き寝入りせず、風テラスなどの弁護士に相談することも検討してみてください。
風俗で働きたい理由から考えてみる
さいごのテーマです。
そもそもみなさんが風俗のお仕事を選んだのはなぜでしょうか。
お金に困っているから?
たとえば夫の収入では生活費が足りずにお金を借りたり、投資ビジネスに手を出したりした借金はありませんか。
家庭のストレスから浪費がやめられない、というケースもありそうですね。
案外知られていませんが、夫婦には同居、協力、扶助という3つの義務があります。
互いに欠点を協力して補い、共に暮らし支えあうことが求められているのですが、とくに、風俗で働く女性は「自分さえがんばればどうにかなる」と一生懸命な方がとっても多いので、夫にその義務を求めることをあきらめているようにも思えます。
そして、離婚にそなえて風俗で働かれている方も少なくありません。
ただ、離婚前に風俗のお仕事がバレると、これまで説明したように慰謝料や財産分与としてお金を取られるリスクがあることを事前に知っておいてくださいね。
今回は、深刻な話ばかりになってしまいました。
でも、家族に内緒でお仕事している人も、どうか自分を責めすぎないでください。
どこかに必ず「出口」はあります。
風テラスも一緒に困りごとに向き合いますので、いつでもご相談をお待ちしています。
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