こんにちは、風テラス相談室です。
風俗で知り合ったお客さんとの間や女の子同士、あるいは友だちや恋人から
「事情があって自分でお金を借りられないから、あなたの名義を貸してほしい」
「返済は自分がするから」
などと言われて、「名義貸し」を頼まれることがあるかもしれません。
風テラスにも、あらゆる場面での「名義貸し」にまつわるご相談が多く寄せられていますが、こうした「名義貸し」は様々なトラブルの原因になるので、決してしないようにしましょう。
実際のところ、「名義貸し」によってどのようなトラブルが生じるのでしょうか。
今回のコラムでは「名義貸し」によって生じる可能性がある法律的・社会的なトラブルについて解説していきます。
「名義貸し」とは何か
そもそも「名義貸し」とは、他人の契約の際に、自分の名前(名義)を使用することを許すことを言います。
法律関係において「名義」は非常に重要であるため、あらゆる場面において「名前の使用を許しただけ」と思っていても、重い責任を負わされたり、高額な請求をされたりするリスクがあります。
そのため、自分と無関係な他人の契約の際に、簡単に自分の名前を使わせないように注意しましょう。
「名義貸し」をすると、こんなに大変なことが起きる!?
(1)お金にまつわる場面(クレジットカード・借金など)
まず、お金にまつわる場面で「名義貸し」をするとどうなるでしょうか?
よくあるのは、「お金は後で払うから」と言われて自分のクレジットカードを使わせてしまったり、「返済は自分でするから」と言われて他人が借金をする際に自分の名前を書くことを許してしまったりするケースです。
こうした場合に、相手が全額きちんと返済してくれないと、名義を貸した人の方に請求が来てしまいます。お金を貸した方も、個人間の貸し借りなどでなければ、本当にお金を借りている人が誰かはわからないので、書面上の名義人から取り立てるしかないからです。
しかし、この場合、「本当の契約者は自分じゃないから説明すればなんとかなる」と考えるのは危険です。なぜなら、法的には名義を貸した人自身にも責任が生じるからです。法律上は、自分の名前が他人の契約に使われることを分かっていて「名義貸し」をした場合、最終的には自ら契約したのと同じだけの責任を負い、相手方に生じた損害を賠償しなくてはなりません。こうした場合には、「名義貸し」だったことを理由に請求から逃れることができないのです。
さらに、最悪の場合には、「名義貸し」をした行為が犯罪にあたることも考えられます。
クレジットカードを使用したりお金を借りたりする際に、他人の名前を借りようとする人は、既にブラックリストに載っているか、自分まで足がつかないようにするなど、自分の名前を使えない理由があるはずです。
ということは、その人の代わりに自分の名前を使わせてしまうと、その人による詐欺等の犯罪行為に協力したことになってしまう可能性があります。
この場合には、「名義貸し」自体が犯罪となり、これまで見たような金銭の支払いにとどまらず、極端な場合には警察から呼び出しを受けたり逮捕されたりするリスクがあります。
このように、クレジットカードや借金にまつわる「名義貸し」には、様々な種類の重大なリスクが存在することがわかります。
(2)その他の場面(部屋の賃貸・携帯電話の契約・銀行口座の開設など)
そのほかにも、様々な契約の場面で「名義貸し」にはリスクが存在します。
部屋の賃貸でも、上記と同様に知らない代金を請求される可能性がありますし、最悪の場合には詐欺に協力したことになる可能性もあります。
また、携帯電話や銀行口座については、他人名義のものが組織的な犯罪などに使用されやすいことから、それぞれ特別な法律で「名義貸し」が犯罪として禁止されており、重い処罰が課されるおそれがあります。
「名義貸し」にまつわるリスク
ここまで見てきた「名義貸し」にまつわるリスクをまとめると、以下の通りです。
1つ目は、「身に覚えのないお金を請求される」というリスクです。
2つ目は、「法律上もお金を支払う義務を負う」というリスクです。
3つ目は、「名義貸し」という行為自体が「犯罪行為にあたる可能性がある」というリスクです。携帯電話や銀行口座の場合のみならず、その他の場面においても、詐欺罪等の犯罪にあたる可能性はあります。
「名前を貸すだけだから」といって、軽いお手伝い程度の気持ちで簡単に受け入れてはならず、きっぱりと断りましょう。
「名義貸し」でトラブルあったら、どうすればいいの?(対策の解説)
できれば「名義貸し」を行わないことが大切ですが、既にトラブルが発生してしまった場合には、事態がさらに悪化する前に、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
終わりに(まとめ)
・風俗のお客さんや一緒に働いている女の子同士、友人や彼氏との助け合いだから、名義貸しを頼まれたら断れない
このような理由で、どうしても「名義貸し」の依頼に応じてしまった経験のある方もおられるかもしれません。
しかし、「名義貸し」によるリスクは上で見たように様々なものがあり、そうしたトラブルにそもそも巻き込まれないことが何より重要です。
トラブルの原因となる「名義貸し」は避けるようにしつつ、どうしても巻き込まれてしまったときには、ためらわず、早めに警察や弁護士に相談してくださいね。