最終更新日:2025年6月9日
さて、今回お話しするのは、紫音が22歳のときに出会ったお客様とのエピソードです。
そのお客様は30歳くらいで、ワリと地味な感じの男性でした。
よく言えば、真面目なタイプなのですが、なんだかとてつもなく暗いんですよ。
最初に会ったときは会話も全く弾まないし、
正直あんまり楽しそうじゃなかったのを覚えています。
紫音が、どんなに話題をふってもスルー。(ガーン)
「きっと相性が合わなかったんだろうな」と半分諦め、
もう二度と紫音のところへは遊びに来ないだろうな、と思っていました。
…が!しかし!!
1週間後、彼は再び紫音の前に現れました。(汗)
なぜか、本指名を入れてくれたんです。
本当に「なんで?」としか思えませんでした。
そしてまた、先週と同じように暗い顔をしているお客様。
「どよーん」という言葉は、彼のためにあるんだ、と紫音は思いました。
それくらい、暗い!
そんなにつまんなそうにするなら、わざわざお金使ってまで来なきゃいいのに!
とまで思ってしまいました。
だって、風俗って楽しい思いをするために来るんでしょ…。
しかし、そのお客様は毎週木曜日、紫音と遊ぶためにお店にやってきました。
会うたびに、少しずつですが、彼も自分から話をするようになりましたが、
決して笑うことはありませんでした。
紫音が接客したお客様で、これまでに笑わなかったお客様っていなかったので、
いつの日からか紫音は意地になり「このお客様を笑わせるキャンペーン」を勝手に開催するようになったんです。
あ、ちなみに…そんなキャンペーンをやっているお店はありませんので、ご安心ください。
あったら行ってみたいけど(笑)
はい。話を戻します。(汗)
このお客様と初めて会ってから1年程経ったある日、
彼から衝撃の事実を聞かされます。
「ここに遊びに来るようになる前、付き合ってた彼女が事故で亡くなったんだ。」って。
紫音はあまりにびっくりして、なんて言ってあげればいいのか、どんな顔をすればいいのかもわかりませんでした。
たぶん、固まっていたと思います。
でも、その後すぐに彼が「彼女を忘れることはできないけど、君と会うようになってから少しずつ前を向けるようになったよ。ありがとう。」と言って、初めて紫音に対して小さな笑顔を見せてくれました。
笑ってくれたのはすごく嬉しかったけど、なんだかとても切ない気持ちになりました。
結局、このお客様は紫音が当時在籍していたお店を辞めるまで、
ずっと通ってくれました。
紫音が、このお店を辞める日には「会えなくなるのは寂しいけど、どこかで元気でいてくれるだけで、俺も頑張れるから!」と言ってくれたのが、なんだかとっても深い言葉に思えて、ちょっと泣きそうになりました。
本当に、そんな悲しいことってあるんだなぁ…と、びっくりしたのと同時に、風俗に遊びに来るお客様には、みんな色々な気持ちや事情があるんだなぁと、今まで以上にお客様を心から大切に思えるようになりました。
だから、紫音もこのお客様にはとっても感謝しています。
