【ナイトワーカーのセルフケア】夜の仕事を周囲にカミングアウトした3人の女性

こんにちは、ナイトワーカーコラムニストのあぽろです。私は10年ほどインタビュー関係の仕事を続けているのですが、ナイトワークをされる女性に話を聞き続けるうちに、気になるようになったことがあります。

それは、お仕事のことを周囲に話すかどうかについてです。たくさんの女の子に話を聞いてみたところ、体感ですが、ナイトワークを本業にしている方は、家族やパートナーにお仕事のことを話している方が比較的多く、複業している方、そして多くの方は、お仕事のことを周囲に隠している方が多いです。

家族にもパートナーにも、お仕事のことを話しづらいと感じてしまう気持ちも分かります。ですが今回は、周囲に話している人がどんなマインドなのか、話す時どんなことに気をつけたのかの事例を、いくつか紹介させていただきます。

「自分に嘘つかない」選択をした人

1人目は、数年前にインタビューさせていただいたことがある、メンズエステセラピストのAさん。彼女は結婚もしているのですが、パートナーには交際前から、お仕事のことをカミングアウトしていたといいます。

この方はもともと「自分に嘘を吐くのが苦手」とも言っていて、ご家族や仲の良い友人にも、メンズエステで働いていることをお話していたのだそうです。パートナーにも、交際前からお仕事のことを共有していたこともあり、結婚の際にも特に問題なく、今もお仕事を続けていらっしゃいます。

メンズエステは性器への接触もないので、カミングアウトのハードルが多少低いということもあるかもしれません。それでも「自分が誇りを持ってやっている仕事を、周囲が応援していてくれていることがモチベーションにつながっている」と、笑顔で話してくれていたのが印象的でした。

実は私も、性について発信していることをパートナーには話しています。最初はびっくりされましたが、仕事への向き合い方や熱意、性について書き続けている理由を誠実に話すと、想いが伝わりパートナーにも応援してもらえるようになりました。

これは一例ではありませんが、交際期間が長く、仕事のことを黙っている時間が長いと、相手は「性を仕事にしていること」そのものではなく「黙っていた(騙していた)」ことにショックを受ける可能性があります

現在パートナーがいらっしゃらないという方は、次に交際する人が見つかった時には、伝えるか隠し通すかを検討してみるのもいいと思います。

「彼バレ」をきっかけに吹っ切れた人

同じく、インタビューで知り合ったホテヘル嬢のBさんは、取材した時に「周囲には誰一人、自分の仕事内容を話したことがない」と言っていました。しかしBさんは風俗を本業にしており、彼氏にその事実を隠すためシフトを調整したり、早上がりしてもカフェで時間を調整したりするのが大変とも話していました。

インタビューの数ヶ月後、BさんはXで「彼バレ」を報告していました。気になって話を聞いてみると、アカウントが彼に見つかってしまったのだと話していました。

話を聞いた時、Bさんは思いの外、晴れやかな表情だったことが印象的でした。そして、こんなふうにも話していました。

「彼にアカウントがバレた時は、正直心臓が止まるかと思いましたし、振られた時は死んだほうがマシだとも思いました。彼のことが大好きだったので、シンプルに別れるのもつらくて。仕事を辞めるからと縋ったけど話を聞いてもらえなくて、数日は放心状態だったのですが……時間が経ってみたらなんか、肩の荷が降りたような気もしたんです。

それに、失恋に耐えられなくて、はじめて親友に仕事のことをカミングアウトしたんです。その子は引いたりせず、私の話を聞いてくれて、よく頑張ったねって私を抱きしめてくれて……それからは、仕事の愚痴を彼女に話すようになって、なんだか彼と付き合っていた頃よりも、気持ちが晴れやかなんです」

親しい人に隠し事をしているのって、自分では「当たり前のこと」だと思っているかもしれませんが、実はすごく心に負担がかかることなのではないかと思います。私はカミングアウトすることが確実に正しいとは思いませんが、Bさんが親友に自分のことを話せたことは、彼女にとってすごくいいことなのではないかと思いました。

心ない噂話にも立ち向かった人

最後は、私の地元の友人の話です。ある日、地元のグループラインで「Cが風俗で働いているらしい」という噂が回ってきて、野次馬根性で色々な憶測をしている人もいました。その後何年もCには会っていなかったのですが、先日、友人の結婚式でCと再会したのです。

何年も前の話であるにも関わらず、彼女は自分からその噂について切り出し「あの噂、本当なんだ」と、友人グループでカミングアウトしてくれました。奨学金のために働いていたことや、その後男友達がお店に来たことも。

時間が経っているから吹っ切れているのもあるのかなと思いましたが、Cは「地元の男子が来た時には正直ムカついたし怖かったけど、ガッツリ接客してやったらあいつ、めちゃめちゃ早漏でさ」と笑いながら話していて、私たちも笑いました。その子は今シングルマザーとして頑張っていて、未だに複業で風俗の仕事を続けているそうです。

現代は風俗業も、SNSで個人的な集客を求められることがあり、身バレのリスクはさらに高まっていると感じます。必ずしも顔を出して活動するつもりはありませんが、ひょんなことから周囲に邪推される危険もあるかもしれません。

だからこそ、Cのその反応を聞いて「強いな」と関心しました。私の他に3人の友人がその話を聞いていましたが、誰も彼女をけなしたりはしませんでした。

「話した方がいい」とは限らないけれど…

何度も言いますが、私は周囲にお仕事の話をするべきとは思いません。言わない方が多数派だと思いますし、もっと大きなトラブルに巻き込まれることもあると思います。

ただ、いざ言った・またはバレてしまったという女性たちがみな、吹っ切れたような表情をしていたことは、今も心に残っています。

お仕事を続けていくと、何かのタイミングで「言うべきか」を考えたり「バレないかどうか」不安になることもあるかもしれません。隠し事があるかぎり、その不安は付き物かもしれませんが、話した側の女性がどのように過ごしているのかだけでも、皆さんに共有したいなと思いました。

迷いがあるなら、注意を払って行動し続ければ隠し通していくことはできると思います。ただ「どうしようか」と悩んだ時は、このコラムのことを思い出してくれたら嬉しいです。

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