最終更新日:2025年4月25日
はじめに
皆さま2025年もどうぞよろしくお願いいたします。本日は「女性のためのトータルヘルスケア」というテーマでお話しします。
女性の心身は思春期という幕開けから成熟期、そして更年期へと変化を続けます。厚生労働省の調査では日本女性の平均寿命は87.74歳で世界でもトップクラス。特に20~30代は仕事や結婚、出産など、人生の大きなイベントが集中する時期でもあり、30代女性の約65%が仕事と家庭の両立にストレスを感じているとの報告もあります(内閣府調査)。この数字からもいかに現代女性が多くの役割を担っているかが分かりますね。
そして40代以降の更年期は『幸年期』と言い換えられることもあるように、新たな可能性に満ちた人生の転換期です。全年代を過ごすために何より大切なのは『自分の体と心に正直に向き合うこと』。工夫次第でどんな時も乗り越えられます。年始にご自身の人生について思いを巡らせて頂けると幸いです。
思春期の私たち~心と体の大きな変化の時期~

大きな変化の代表は月経、第二次性徴による体型変化です。思春期における女子中学生の約48%が月経痛による不調を経験していると報告されています(文部科学省)。肌質変化や、成長痛の出現、月経や過度なダイエットがもたらす貧血も気がかりです。変化が急激で時として戸惑いや不安を伴い引き起こされるメンタルヘルス不調、月経前症候群(PMS)による不調、人間関係やアイデンティティの悩みに、覚えがある方もおられると思います。
思春期セルフケアのポイント
乱れがちな時期こそ、基本的な生活習慣の確立が肝要です。十分な睡眠(7-8時間が望ましい)、バランスの良い食事(特に鉄分・Caを摂る)、適度な運動習慣、月経への対応などがキーワードです。適切なナプキン交換はもちろん、月経管理アプリで体調不良へのサインを事前に把握し痛みがある場合は無理をせず、受診をしましょう。頼れる婦人科クリニックを早めに確保しておくと、今後も安心です。鎮痛剤やピルの効果的な利用も相談できますよ。思春期は気持ちも揺らぎがちですし、PMSが原因であることもゼロではありません。信頼できる大人に相談したり、自分の気持ちをアプリや手帳・日記に書いてみると冷静に考えることができますよ。温かい飲み物や、ゆったりと入浴するなどリラックスする時間を持つと気持ちが和らぎます。
成熟期の私たち~ライフイベントと向き合う時期~
思春期からの健康課題を放置したことでこの時期に問題と直面することがあります。
例えば不規則な生活による月経不順、婦人科系疾患の検査へ足が遠のいていることなど心あたりはありませんか。私は31歳で出産までは、検査・予防のため婦人科へ定期的に出向いていましたが、産後の多忙さにかまけて検査を延ばし延ばしにしてしまったところ『子宮頸がん』『子宮筋腫』の発見ができず対応が遅れてしまった悲しい経験があります。このように婦人科系疾患リスクや、パートナーとのご縁にもよりますが妊娠・出産に関するイベントを迎えたり、仕事とプライベートのバランス、人間関係の複雑化に伴い、人生における大切な選択を迫られることも多い世代です。
成熟期のセルフケア
健康管理として年1回の婦人科検診をおすすめします。子宮筋腫などが月経不調の原因であることも多く、今は治療方法も選択肢が多いのでかかりつけ医で相談してみましょう。『早く知っておけばよかった』と仰る方が多いですよ。乳がん検診も同様です。
働き盛り世代ではありますが、ワークライフバランスについても考えてみましょう。自分だけの休息時間の確保は心身の調子を保つために有用です。そのためには時間管理も要りますね。スケジュール管理アプリの利用や、時短家電、時には外食や家事代行など外注も気持ちよく利用しましょう。捻出した時間はひとり時間や運動の機会にお役立てください。適度な運動習慣はこの後の更年期を健やかに過ごすことにつながります。
更年期の私たち~豊かな人生の総仕上げ~

身体的な変化で印象が強い更年期症状(発汗、ホテリ、不眠など)ですが、怖がる必要はありません。人の心身が変化することや体型や見た目が変わることは自然なこと。骨密度の低下、筋力の低下、五感の感度低下に生活習慣病のリスク増加など目を覆いたくなるような現実はありますが、何十年とがんばって動いてくれたからこそ、私たちにかけがえのない経験を授けてくれたのです。今こそからだやこころを労り、丁寧なケアをする時間だと考えてみましょう。加えて子育てと親の介護のダブルケア、残された時間を思い自己実現と家庭の調和について考える機会も増えますが、専門家の知恵も得ながら、一つずつ向き合っていきたいですね。
更年期セルフケアのポイント
更年期症状対策としても規則正しい生活リズムに適度な食事と運動(ウォーキング、ヨガなど)を取り入れてみましょう。温かい飲み物や必要に応じて予防的な漢方薬の相談、定期的な健康診断へいきましょう。心を軽やかにする趣味や社会活動への参加、時に友人との交流、『今さら』と思わず新しいことへのチャレンジが真の豊かな時間を創ります。
おわりに
全年代を健やかに幸せに過ごすポイントをまとめると以下の通りです。
- 定期的な健康チェック
- 生活のリズムを整える
- 仲間づくりやひとり時間の充実
私たち女性はがんばりすぎてしまう傾向にあります。しかし、立ち止まることも、助けを求めることも、大切なセルフケアです。体調の変化に気づいたら、すぐ専門家に相談しましょう。
健康は私たちの人生の土台です。それは与えられるものではなく、これらの生活習慣の積み重ねによって築かれるものです。皆さまが、それぞれの人生ステージで、より健やかにより自分らしく豊かに過ごせることを願っています。
次回はえみ先生が【男女の脳の仕組み】についてお話ししてくださいます。どうぞお楽しみに!