風俗(嬢)卒業は出来る! セカンドキャリアとの出会い方「何かやりたい!となった時、確定申告していると行動がスムーズに」吉沢さりぃインタビューシリーズ:第2回 税理士 沖有美子さん

最終更新日:2025年6月23日

今年で10周年を迎える沖有美子税理士事務所。
事務所の代表を務める沖先生は元風俗嬢だ。

「18歳の時に鹿児島から専門学校に行くために上京しました」

早くに父が亡くなってしまったという沖先生の家庭は「そこまで裕福ではなかった」といい、カフェやパチンコ、コールセンターなどバイト三昧だったようだ。

そして20歳になり不動産会社に就職し晴れてOLになるも、ネットワークビジネスにハマってしまったという。

「しかも人脈作りのためによく歌舞伎町で逆ナンパをしたり、ホストクラブの初回に行ってたりしてたんです。そしたらあるホストにまんまとハマってしまい…。まぁそれでOLの給料では遊べるわけもなく、カードローンや街金融で借金しまくるワケです」

そこまでしてもホストクラブでの軍資金は底をついてしまう。困窮していた時に、指名していたホストから、アナルファック専門店の名刺をもらった。

会計士のお客さんと闇金事務所へ返済しに

「忘れもしない20歳の6月にその店の面接に行きました。最初は痛かったし、こころが追いつかない部分もあったけど、講習を受けたらすぐに予約が入って、1人目から延長をもらいました。風俗店は新人に入店して欲しいから、最初はすぐお客さんをつけるんですよね(笑)。そこから半年はOLしながら風俗で働いて、ホストに月100万円から200万円使っていたかな」

だが、そんな暮らしは長く続かず体を壊した沖先生は「稼げるから」と、OLを辞め専業風俗嬢になる。それでもお金は足りず、借金は600万円にも膨れ上がり、闇金にも手を出してしまったそうだ。

「闇金って10日3割の利息で、貸す時に3割引いた額で貸してくれるんですよね。10万借りたら利息を引いた7万円渡されるっていう仕組みだったんだけど、バカだからわからなかった(笑)。でも、自己破産を考えていたから、もう消費者金融からは借りられず闇金にしか借りれなかったんです」

闇金の借金が200万円に膨れ上がった頃、沖先生に転機が訪れる。

「公認会計士のいいお客様がいたんです。彼が『一緒に返しに行こう』と200万円用意してくれて、一緒に闇金事務所に行きました」

借金を返済し22歳になる直前、月30万円でこのお客様と愛人関係がスタートすることとなった。

「家賃混みで月々30万円の契約でした。家の名義も私で借りてくれました。ちょっと贅沢もできるいい額ですよね」

この愛人生活は5年間続くことになる。

「私は神田外語学院を半年留年して卒業しているんですが、専門卒だと当時は簿記1級がないと税理士を目指すことができませんでした。いち風俗嬢だった私にパパは『女の子が昼の仕事で稼ぐには資格が必要』とハッキリ言いました。資格がないと男性と同等には稼げないと」

そこで沖先生は簿記の勉強をスタートさせた。するとー。

事務所は今年で10周年。夜職ならではの税務相談を幅広く対応してくれます。

昼職が見つからないなら、自分の出来ること・好きだったこと・興味あったことを思い出して

「パパと付き合ってすぐに勉強をスタートして半年で、3級から1級まで合格しました!勉強も楽しかったし、自分でもかなり向いているなって思いました」

そこから30歳手前で税理士免許を取るまでは、トータル7年かかったそうだ。

「26歳の時に好きな人ができてパパとお別れしました。もう悪いなって気持ちもあったし。『自分で働きながらやります』と。8月の税理士の試験があるから、4月から8月は週3で働いて、それ以外は週5で働いていました」

さらに大原簿記学校の社会人課程にに週2回通い、終わったら自習室で勉強。土日もひたすら勉強していたそうだ。ひたすら20年後の自分を見てきたという。

「時給は1100円で月収は18万円程度だし、ボーナスはあったけど学費に消えました。20代の1番楽しい時に周りの友達は彼と海外旅行に行ったり、ホストに行ったり、すごく羨ましかった。でも、いつか花開くと自分を信じて頑張って勉強していました。途中にキラキラしている場所への欲求が抑えられなくて、ホストに行ってしまったこともありましたが」

そう笑う沖先生の税理士事務所には風俗嬢の税務相談が多く、中でもホストにハマっている子はすごく多いと話す。

「最近は女性専用風俗に入れ込んでいる子が多いですね。みんながホストにハマる理由はよくわかります。風俗嬢って寂しいんですよ。人にもよるけど、誰にでもオープンに出来る仕事じゃないからこそ『ホストでしかわかってもらえない』って、居場所になっちゃうんです」

中でも、週3〜4回出勤して40〜50万円稼いでいる風俗嬢の将来を心配しているそうだ。

「月に300万円稼げているような子は全然心配じゃない。そういう子は確定申告もキチッとしているし、今も売れているのに講習会に行ったりハングリーさがある。多分、いきなり風俗辞めてもなんとかなると思う。逆に『昼職やりたいなぁでもなぁ』と思いつつも行動に起こせず、風俗で月40万円くらい稼げてしまっている層が1番心配です」

50代60代でも勤めるお店はあり、その年代でも月20〜30万円は稼げるようで、風俗嬢としての需要がなくなることはないそうだがー。

「好きでやっているなら全然問題ないです。でも、大半が虚しくなってくる…。本人さえ諦めていなければ、年数かけてやる気持ちがあれば、変わることは出来るのに」

だが漠然と「昼の仕事をしてみたい!」と思っても何から始めたらいいのかわからない人も多い。具体的にどうやって昼の仕事を探したらいいんだろうか?

「自分の出来ること・好きだったこと・興味あったことを思い出してみてください。例えばネイルが好きだったら、風俗やりながらネイルの学校に通って、ネイリストを目指すとか。何も資格がないことが悩みなら運転免許を取るとか。免許さえあれば風俗の内勤もドライバーもできるし、Uber Eatsも出来る。田舎に帰れば何かしら仕事があるだろうし、一歩前進だと思う」

沖先生は何回も「風俗嬢のみんなに将来を諦めてほしくない」と続ける。

「昼の仕事に少しでも就きたい気持ちがあるなら、やっぱり少しだけ堪えることも必要。でもいきなりは無理だから、スライド式に少しづつ進めていったらいいんじゃないかな。みんな『履歴書が書けない』と心配しているけど、パートならそこまで職歴や学歴を重視されないはずだから。嘘も方便ですよ♡」

あとは付き合いを広げることも重要だという。

「風俗の友達だけや身内だけだと交友関係が狭すぎる。時給1200円とかで働くのは確かにキツイけど、そこで働く人たちと交流を持つのも大事。情報収集にもなるし」

確定申告にわざわざ風俗勤務なんて書かないから、誰かに仕事がバレることもない

まずは第一歩として確定申告をすることも「自己肯定感が上がる子は多い」と話す。

「私の事務所に初めてくる子は『怒られるんじゃないか』とビクビクした顔でくる人もいるけど、そんなことは全然ないです!風俗だろうがなんだろうが、ちゃんと確定申告をして税金を支払えば『世の中に私はいるよ』という証明になります。社会の中に居場所ができるし、確定申告にわざわざ風俗勤務なんて書かないから、誰かに仕事がバレることもありません。今すぐセカンドキャリアを急いで考えなくても、何かやりたい!と思った時に確定申告をしているだけで動きやすくなること間違いないです」

沖先生自身も元風俗嬢という肩書きを明かしたことで苦い経験をしたことがあるそうだ。

「30歳の時にお見合いパーティで信用金庫の人と出会って、結婚することになりました。でも、私の母親に挨拶に行く前日に風俗で働いていた話をしたら、破断になりました。YouTubeで『アナルファックの店で働いていた』と話して、税理士会で怒られたこともあります(笑)。やっぱり風俗という仕事に対する偏見は多いと思う。でも、諦めて欲しくないです。今の世代の風俗嬢のみんなに、私の人生をかけて色々教えていきたいです」

沖 有美子
沖有美子税理士事務所代表で風俗嬢として20代の一時期を過ごす。風俗引退後は会計事務所で仕事をしながら足掛け7年受験し続け、税理士試験合格。自らの風俗経験を公表し夜職女性の税務案件も取り扱う。
http://okiy-zeirishi.jp/

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