【まりてん独占インタビュー】動画マーケは本当に集客に必要?現役インフルエンサーが語る「顔出しリスクとメリットのバランス」

長らく、この業界では「女の子がXを使って個人で集客を行うこと」がテッパンになっていましたが、Xのアルゴリズムなどの改悪によって、その時代は変遷を迎えようとしています。業界に女の子が増えている中で、「個人の集客力」はより求められる時代になってきているものの、そもそも「Xのアカウントが凍結してしまう」「凍結対策のSNS運用を心がけていたらインプレッションが少なくなった」など、女の子たちにも新たな悩みが生まれてきています。

そんな時代のさなかに、元女の子の“インフルエンサー”として活躍の場を広げているまりてんさん。知名度ともに、まりてんさんがリーチできる層はより幅広くなってきているように見えます。また、集客の場を他のSNSに移動する女の子も増えており、いよいよ女の子たちにも「動画でマーケするべきなのかどうか」を考える波が来ている、とも言えます。

Youtuberとして、長く顔出しで活動しているまりてんさん。しかし「女の子の動画運用」や「インフルエンサー化」については、思うところがあるようで……?

インフルエンサーを「目指した」ことはない

自身の職業やリアルな日常、集客術、業界のリアルな裏話などをユーモアを交えてオープンに発信することで、従来の枠にとらわれない新しい形のインフルエンサーとして多くのファンから注目されてきたまりてんさん。自分の職業に誇りやこだわりを持ち、偏見を恐れずに堂々と発信する姿は、同業の女性だけでなく、日々をたくましく生きる多くの女性たちからも「元気をもらえる」「生き方がかっこいい」とエンパワメントを与える存在になっています。

大学生の頃に風俗のお仕事を始めて、徐々にのめり込んでいったまりてんさん。若くしてデリヘル店の経営に周る決意をし、顔出しでの動画活動を始めます。

「今振り返ると、あの頃から“インフルエンサーを目指そう”と思って活動したことは全くないんですよね。店長時代はYoutuberという職業が流行する前から動画での発信を始めていましたが、シンプルにお店への集客や採用を伸ばすためという側面が強かったです」

今となっては、動画を発信するということはイコール「知名度を取りに行くこと」なので、女の子として働いてはいても、あわよくばインフルエンサーとしてバズれたら、セカンドキャリア的にも広がるのでは……?なんて考えている女の子もいるかもしれません。

「顔出しで発信を始めてからは、よくも悪くも生活が変わった部分はありますね。プレイヤーとしては、在籍しているだけでお給料が増えたり、新規の集客が多くなったりと、稼ぎという面ではメリットが多かったです」

動画集客は本当に必要?現役だからこそ分かる「見えないリスク」

しかし、まりてんさん自身は「女の子はできればSNSをやらず、顔出しもしない方がいい」と考えているそう。

「道を歩いているだけで、あれってまりてんじゃない?と気づかれることもあります。ネットに顔を出すということは、どこかにその履歴が残り続けるということなので、今はよくてもいつか後悔するかもしれませんよね。たとえば、もう私は普通の結婚はできないんだろうなと思っています。こういう職業のことを、真っ向から偏見を持った目で見ている人もいます。キラキラしているように見えても、やっぱり風当たりは強いよなということは、発信する動画につくコメントだけでもひしひしと感じています」

風俗で働くだけなら、いくらでも隠れて活動できる。ですが「動画での集客」が当たり前化しつつある現代では、女の子たちが背負うものは大きくなっていると思う、とまりてんさん。

「私は始めるのが早かった分、逃げ切れている部分があるけれど、今プレイヤーとして頑張っていく子の世代はそうじゃないのかなとも思います。ライバルになる女の子たちの中にも、動画でやっていこうって子がいて、自分もそうしないと集客できないって不安になっちゃうかもしれないけれど、でも実際には、絶対に顔出しはしないって決めて、バランス良く活動している子もいます。顔を出して、動画を出したら、WEB上ではリーチできて集客も伸びるかもしれない。だけど、今の稼ぎが良くなればいいかってくらいの気持ちなら、写メ日記に本気で向き合うとかでもいいはずなんですよね」

動画でのマーケティングが流行し始めて、業界にも「SNS運用代行」「動画作成代行」など、女の子たちをサポートするビジネスを行う業者の数も増えました。ですがまりてんさんは「動画の発信はそもそも手出しのお金も多い」と警鐘を鳴らします。

「数本撮ったら集客が増えるということでもないんですよ。動画発信を始めたら、定期的に投稿し続けなければならないし、そこでやっと認知が伸びて、客足も増えていくんです。動画撮影は、写メ日記や文章で発信するのとは、やっぱり工数が全然違う。それに今は、他の女の子と一緒に動画を撮ったりする子も増えているけれど、関わる人が増えれば増えるほど、動画はネット上から消しづらくなると思います。だって、自分は消したくても相手はそうじゃないかもしれないですか」

あなたはなぜ「そこまでして集客したいのか?」

そういったリスクを背負ってでも、個人での発信活動に注力していく女の子が増えている背景には、「業界内で得た地位やスキルを使ったセカンドキャリア」を求めるパターンが増加しているという事情があるそう。

「もちろん、自分がそういうキャリアもあるという、選択肢の礎を作ることができたということは嬉しいです。この活動を始めたのには、風俗のお仕事が好きだっていいじゃん、ということを伝えたかったという気持ちもありましたから。実際、イベントに来てくれる女の子の中には、セカンドキャリア関係のご相談を受けることも多いです、講師になるためにまずはプレイヤーとしてナンバーワンを取りたいとか、いつか本を出したいとか、私のようにYoutubeで活動したいという子もいて……業界の子が、ポジティブにその選択肢を選べるようになったことには、ポジティブな側面もあると思います」

SNSの台頭により、先に認知を獲得していったのはキャバクラで働く女の子たちでした。お隣の島でも、SNSを使って知名度を獲得して、ブランドや店舗の立ち上げの道に進む子も増えており、動画のフィールドで活躍する子もどんどん増えています。

「成功事例を目の当たりにする機会が増えているからこそ、今顔出しで、そして動画で活動しようとする子たちに伝えたいのは。覚悟を持ってその道に進むべきだということですね。承認欲求に溺れて、動画の作成数やコメントに一喜一憂してしまったら、どんどん摩耗していくと思います。動画発信というのは、それ単品がキャリアの目的にはならないことが多いんじゃないかと思います。プレイヤーの子なら、あくまで集客が目的ですし、お金を目的にするなら、わかりやすくていいですね。セカンドキャリアを追いかけたい子も、なんのために自分が動画を発信するのか、その目的意識を持つことが大切だと思います」

“認知が目的というなら、それはそれでもいいけれど”と言いつつも、やっぱりまりてんさんは、顔出しによって背負うことになる業と、自分が目指すものを天秤にかけた方がいい、と話します。

「もう、走り出しちゃいたいならいっそやってみて、ノリで失敗してみちゃうのも、一つの手ですけどね(笑)。自分の中でやりたいって気持ちが抑えられないなら、それはそれですごいこと!ただ、リスクが見えていなくて後悔しちゃうとしたら、それってすごくつらいことだと思うので。リスクって一回失敗してみないと見えなかったりするから、新しいことを始める時には、行政書士さんとか弁護士さんとか、いざという時に頼れる人を1人見つけておくのも一つの手です!」

トレンドの変遷が激しい今の時代こそ、どの道に進むかも、冷静に考えるべきなのかもしれません。ぜひ一度自分の活動を見つめ直して、これから「誰に、なんのために、どんな発信をしていきたいのか」を考えてみてくださいね。

まりてん

元風俗嬢として業界内外から注目を集めるインフルエンサー。著書『聖と性 私のほんとうの話』(講談社)は3刷重版を達成し、タレント本ランキング総合1位を記録。自身の経験をもとに、接客・働き方・キャリアについて発信を続けている。現在は「ブレンダ池袋店」の外部ブランドマネージャーとして、広報・ブランド設計・相談役を務める。

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