【ナイトワーカーのマインドケア】恋愛関係を求められるのは、お客様の問題?夜のお仕事とお客様との「依存関係」について考えてみる

最終更新日:2025年11月18日

あなたは「お客様に依存されている」と感じたことがありますか?

いつ会えるのかをしつこく聞いてきたり、自分だけと会ってほしい、仕事を辞めてほしいなどわがままを言われたり……「そんな関係じゃないのに」と思いつつ、お客様との間に生まれてしまういびつな関係に悩んだことがある人は、少なくないのではないでしょうか。

「依存」とは、ある対象や人に頼りきっている状態を指します。……でも実は、お客様に依存されてしまうのは、あなた自身がお客様に依存してしまっているからなのかもしれませんよ。

依存ってどんな関係?お客様との健康な関係づくりを考えてみる

依存という言葉は、日常的にも心理学や医学の領域でも使われる概念です。精神的に特定の人に頼りすぎることも依存の一種で、頼ること自体は人間関係や生活において自然なことですが、自立やバランスが崩れると問題になってしまいます。

ある人に過剰にしがみつき、自分の感情や行動をその相手に左右される状態を依存状態だとするのなら、仕事を辞めてほしい、恋人になってほしいなど、サーバーとお客という関係を越えた要望を訴えてくるお客様は、あなたに依存しているとみていいでしょう。

しかし、逆に考えてみるとどうでしょうか。もしもあなたがそのお客様にたくさん来店していただいていて、お客様があなたの「太いお客様」なのだとすれば……あなたも、お客様に「金銭的に依存」しているとも言えるのです。

依存の関係はよく、お互いに依存し合ってしまう「共依存」の関係も生み出します。そして依存は悪いものというイメージがありますが、人が生きる上である程度の「依存」は自然なことです。例えば、大切に思う人のことを「健康でいてほしい」「幸せでいてほしい」と考えたり、一緒にいたいと思うことは、ある意味当たり前のこと。

問題は、それが「自分や他人に苦痛・支障を与えるかどうか」です。あなたや、お客様が2人の関係を苦しく感じるのだとすれば、それはもう解消しなければならない依存関係です。

お客様がこじれてしまったのは、お客様が「コミュ障」だから…じゃありません

そもそも、夜の接客業はお客様と女の子の「共依存関係」がとても生まれやすい構造です。お客様は接客のためにお金を払い、女の子はいただいたお金に見合う接客をします。

しかし、夜のお店の中では「この関係はお金で結ばれています」とお客様に感じさせないような接客が求められ、時に疑似恋愛のような関係を作ることで、本来のお金で結ばれた関係をカモフラージュするのです。

お金で結ばれる関係は世の中にたくさんあります。個人のレストランでお金を払って美味しいご飯を提供してもらうことにも、会社と会社が契約を結んで、お互いの需給を満たし合うのもお金で結ばれた関係ですが、夜のお店のように人間関係がこじれてしまうことは稀です。

お客様との関係をこじらせる一番大きな要因は、この「疑似恋愛関係」にあるといっても過言ではないでしょう。本来、恋愛関係の中には金銭関係は生まれません。しかし、接客での疑似恋愛関係にお客様が慣れすぎてしまうと、最初からあるはずの「金銭関係」にこそ疑問を感じてしまうようになります。そして「仕事を辞めてほしい」「自分とだけ会ってほしい」などの強い要求を女の子にするようになってしまうのです。

お店から「疑似恋愛関係」を推奨される場合もあるかもしれませんが、疑似恋愛によってお客様を繋ぎ止めようとすることは、女の子自身の首を絞めることに繋がるパターンも多いです。

実は、お客様と疑似恋愛関係を持とうとする時、女の子自身がお客様を頼ってしまっていることに気が付かないことも多いのです。可愛い、セクシーだなど、自身に好意的な感情を持ってもらうことで、女の子は自分にとって有利な関係をお客様と築こうとします。自身がお客様に気に入ってもらえれば、お金を出してもらうことも「対等なこと」になると思えるでしょう。

お客様に好かれようとすることは、サービスを提供する側として当たり前のことだと思う人もいるかもしれません。しかしお客様に自ら頼りに行く、媚びに行くことが、お客様との対等な関係を崩し、こじれた恋愛関係を産むきっかけとなってしまいます。

再度、分かりやすくまとめてみましょう。夜の接客業では、お客さんにとって女性キャストは「自分を受け入れ、癒してくれる存在」「自分を認めてくれる特別な人」のように感じられます。

一方、キャスト側も「自分を指名してくれる・支えてくれるお客さん」「売上や精神的な支えになってくれる人」として特別視しがちです。

この“特別感”が、通常の人間関係よりも心理的距離を急速に縮め、依存を強めやすいです。お客様はお金を使うことで「特別感・支配感」を得やすく、女の子はお金を得ることで「必要とされている感覚」を得るという心理的な「交換」も強化されます。

夜のお店ではお金と承認欲求が絡み合うことで、共依存的なパターンを作りやすくなります。つまり、お客様が「こじれてしまった」時……それはお客様の問題ではなく、お客様とあなた自身の問題なのです。まずはあなた自身が「これは自分の問題でもある」と認識しない限り、自分もお客様も不幸にする負のループが続いてしまう可能性があります。

共依存を産まないために…プロとして自分は、何ができるのかを考える

お客様との関係を自分の問題として認識できたなら、共依存にならないための「境界線の引き方」についても考えてみるべきでしょう。

たとえば、仕事とプライベートの時間を明確に区切ること。終業後は個人的なメッセージを極力せず、日記などでだけ交流したり、個人的な相談にのる時間を決めるなど、ルール化をしてみましょう。そして、お客が愚痴を話す時も、距離感を持って話を聞く工夫をしましょう。

自分の話をお客様にする時にも、ルールを設けましょう。例えば、自分の愚痴をお客様に聞いてもらうことは、サーバーと客の関係を越えていることかもしれません。自分は相手の人生をサポートする人としてはっきりした立ち位置を確認しておくと、お互いに「行きすぎた関係」となることを防ぎやすくなるでしょう。

女の子は自身の「プロとしての役割」を意識することも大切です。お客様は友人でもパトロンでもなく、女の子にとってはお客様です。“サービス提供者”という視点を忘れずに、仕事上のキャラクターで接してみましょう。

逆にいえば、お客様が女の子に過剰な関係を迫る時、女の子がプロとしてお客様にリスペクトされていない場合も多いものです。「可愛いこと」をウリにしてお客様に媚びてしまうことは、お客様にただ「支配感」を強めさせてしまうことにも繋がります。

こういった人間関係に悩んだことがある人は、今一度、自分がプロとしてお客様に提供できることがなんなのかを考えてみるといいでしょう。日常では味わえないプレイでもいいかもしれませんし、お客様の心を軽くしても、精神的には依存させないプロとしてのヒアリングでもいいかもしれません。

自分にできることがなんなのかを改めて考えてみることは、お客様とのこじれた関係の解消に繋がるだけでなく、あなた自身の今後のキャリアを考えることにも繋がります。

もしも自分ができることがまだ明確に分からなかったとしても、自身がプロ意識を持つことが何より大切です。このお仕事を「誰にでもできること」と思わず、自分にしかできないことを見つけてみようとしてみてください。お客様もそんな姿勢にこそ、リスペクトを持ってくれるものでしょう。

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