海外売春の傍聴記③売春は仕事なのか、犯罪なのか

最終更新日:2025年6月16日

今年4月に海外売春を斡旋したとして男性4人が逮捕されました。その裁判の様子を、以前も記事にしました。

今回、主犯とされる臼井良夫被告の裁判が終了したので記事をまとめたいと思います。

売春は仕事なのか、それとも…

2024年4月に、海外出稼ぎ売春の斡旋で4人の男性が逮捕され、その裁判が7月〜11月にかけて行われました。今回はその裁判の傍聴記の第3弾。

過去の2回はこちらから読めますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

「海外売春の傍聴記① 海外出稼ぎ売春は本当に稼げる!? どんな危険がある?」

「海外売春の傍聴記② 海外出稼ぎ売春から“帰国しない女性”がいる現実」

逮捕された男たちは、「海外出稼ぎシャルム」というXのアカウントや募集サイトを使って女性を集め、カナダやオーストラリア、米国に派遣していました。そのルートで海外売春をした女性は、3年間で200~300人とのこと。

彼らが海外出稼ぎを始めたのは、6〜7年前のこと。きっかけは都内で中国人男性と知り合い、日本人女性を紹介してほしいということを依頼されたことでした。

その後、別の中国人からアメリカのお店を紹介され、アメリカやカナダに女性を派遣することになりました。

その仕事をするうちに、オーストラリアでは売春業が合法だとわかり、臼井はオーストラリアのシドニーで売春施設「244」の運営をすることになります。

そこでは、お店の取り分が30%となっていました。

残りの70%のうち、10%(総額の7%)が臼井の会社の取り分になり、スカウトが入らない場合で90%(総額の63%)が女性の取り分でした。スカウトが入る場合は10〜15%(総額の7〜10.5%)がスカウトの取り分で、女性へは52.5〜56%が支払われていたそうです。

裁判で弁護士が話したこと

裁判では検事が「年間5000万円の収益があったと試算され、多くて400万円。少なくとも50〜100万円を利得しており、犯行スキームを構築した」と述べました。

一方で、弁護側は「売春宿の経営というと、昔の女衒のような女性を搾取するイメージがあるかもしれないが、女性が自由意志で働き、安全に帰国できるものであり、女性も正当な報酬を受け取っていた」と述べました。

また、「ホストクラブの売掛があり、強制的に働かせていたケースもあるようだが、臼井の場合は、これを断っていた」「講習については、文化が異なるために行っていた」ということでした。

なお、今回の事件で被害届を出している4人の女性は20〜40代です。

売春行為は仕事なのかという部分について考えてみたいと思います。日本では売春行為は売春防止法によって禁止されています。けれども、売春自体は、双方に合意があれば、犯罪ではない行為であると私は考えています。

売春が違法な国でそれを仕事とすれば違法となってしまいますが、合法であれば職業になる。そういった捉え方をされるのが「売春行為」であるといえるでしょう。

性の仕事に関わる上では、「私は売春が世の中にあってはいけない行為だと思っているのか、そうではないと思っているのか」ということを改めて考えてみるのもいいのかなと思います。

現在、確かにホストクラブに多額の売掛があり、その借金を返済するために海外へ出稼ぎ売春をするケースもあります。そういったケースは強制的に働かされているといえる一面もありますが、ホストで多額のお金を使ってしまったという事実があります。女性に全く問題がないかといったらそうではないでしょう。

このホスト問題が、2025年の国会に警視庁が風営法の改正案として提出することが報じられています。“売掛金などの蓄積の防止策”や“悪質な取り立ての防止策”を禁止することなどが盛り込まれています。
今後、この法改正がどのようになっていくか、私も注目しています。

性の仕事に就く人たちには、ホストに限らず様々な事情を抱えている人が少なくありません。職業としての器が広いという点は長所ともいえるでしょう。

「性の仕事」は世の中で必要とされているもの。しかし、状況や人によっては「犯罪」や「加害・被害」や「搾取」とされることもあります。

自分の職業的な意思を保つためにも、「なぜ、この仕事を選ぶのか」「この仕事で成し遂げたいこと」といった働く理由を自分なりに考えておきたいですね。

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