文章には、その人の《あり方》がそのまま滲み出る
こうして発信を続けてかれこれ20年近くになりますが、文章にはその人の価値観や思い、そして人間性が視える瞬間がたくさんあります。
SNSのタイムラインに流れてくるポスト、DMでのちょっとしたやり取り、予約時のメッセージ、LINEの返信。
同じ意味を伝えるにしても、どんな言葉をチョイスするのか?
私はここがものすごく大切だと思っています。
例えば、やらなきゃいけないことに対して気が進まないとき。
それをそのまま「面倒くさい」と吐き捨ててしまう人と、「ちょっと腰が重くて」と言葉を柔らかく包んで表現できる人。
たった数行のやり取りやスタンプひとつでも、相手をクスッと笑わせたり、心をホッと緩ませる言葉を選べる人。
これだって全部、普段の思考や相手への思いやり、想像力がそのまま乗っかっています。
「文章なんて、ただの連絡手段でしょ?」
「SNSは集客のためのツールだから、型通りに書いておけばいいよね」
もしそう思っているとしたら、それはものすごくもったいないですし、実はお客さまにもそのやっつけ感は一瞬で見抜かれています。
「文字なら取り繕える」という大きな勘違い
「画面越しの文字なら、いくらでも可愛く取り繕える」
「対面じゃないんだから、キャラを作っていればバレない」
そう言う方もいますが、私は完全に逆だと思っています。
文字だからこそ、誤魔化せません。
取り繕ったものほど、言葉の隙間から全部透けて見えるものだからです。
対面であれば、声のトーンや笑顔、仕草、その場の空気感でなんとなく誤魔化せてしまう瞬間もあるかもしれません。
でも、文字は情報としてその場に残り、読み手の脳内に直接届きます。
書き手がどんな気持ちでスマホの画面をタップしているのか。
「早く返信終わらせたいな」と思いながら打った文字なのか、それとも「今日もお疲れ様でした、少しでもホッとしてほしいな」と相手の表情を思い浮かべながら打った文字なのか。
不思議なもので、お客さまはその背景にある感情や熱量を無意識に察知するセンサーを持っています。
表面だけ綺麗な言葉を並べても、どこか冷たかったり、雑さがあったりすると、受け手は無意識に「あ、この人にとって僕はただの客の一人なんだな」と感じ取ってしまうものなのです。
指名が途切れないキャストが無意識に使っている言葉のクッション
では、お客さまから長く愛され、指名が途切れないキャストや結果を出し続ける人は、一体どんな言葉のチョイスをしているのでしょうか?
彼女たちが使っているのは、決して難しい語彙や派手なテクニックではありません。
共通しているのは、【相手の心の着地点を考えて言葉を置いている】ということです。
例えば、スケジュールの都合がつかずにお断りをしなければいけないとき。
「その日は無理です。別の日でお願いします。」
「その日はあいにく先約があってご案内が難しいんです…!せっかく声をかけてくれたのにごめんなさい。〇日か〇日ならゆっくりお時間取れそうなんですが、ご都合はいかがですか?」
伝えている事実(=その日は入れない)は全く同じです。
でも、受け取った側の気持ちはどうでしょうか。
Aさんの言葉は、相手に硬い壁をぶつけるような冷たさがあります。
一方でBさんの言葉は、一度相手の「会いたい」という気持ちを柔らかいクッションで受け止めてから、次の提案を差し出していますよね。
相手の時間を奪わない配慮をしつつ、心を冷やさない言葉を添える。
この一手間の思いやりを自然にできる人が、結果としてお客さまの心を掴んで離さないのです。
トゲや雑さは日頃の思考の癖から漏れ出している
逆に、普段から無意識に人を見下していたり、周囲への不満ばかりを抱えていたりする人は、どうしても言葉の端々にトゲが出てしまいます。
「わざわざそこでその一言、要らないよね」という余計な皮肉。
「察してよ」と言わんばかりの冷たい短文。
質問されたことに対して、上から目線で正論を叩きつけるような返し。
これらは決して、うっかり出たミスではありません。
日頃の思考の癖であり、その人の生き方そのものが漏れ出しているだけです。
「お客さまは神様だから下手に出てください」と言いたいわけではありません。
プロとして凛とした境界線を持つことと、雑に接することは全くの別物です。
普段からスタッフさんや周囲の人に対して横柄な態度を取っている人は、どれだけSNSで「お客さま大好き♡」と発信していても、ふとした瞬間のDMやリプライに雑さが滲み出ます。
そして、見る目のある本物のお客さまほど、その違和感を絶対に見逃しません。
お客さまの心を掴むキャストがやっている3つの言葉の習慣
画面越しのやり取りで信頼を勝ち取るために、今すぐ実践できる3つのアクションをお伝えします。
①送信ボタンを押す前に相手のリアクションを1秒想像する
定型文をコピペして終わりにするのではなく、送信ボタンを押す直前の1秒だけでいいので、「これを受け取った相手はどんな表情をするかな?」と想像してみてください。その一瞬の想像力が、語尾の柔らかさや絵文字の選び方を自然と変えてくれます。
②ネガティブな事実ほど感謝と代替案で包む
お断りやNGの提示など、相手にとって少し耳の痛いことを伝えるときほど、言葉のコーティングが必要です。「教えてくれてありがとうございます」「お気持ち嬉しいです」という感謝、そして「次回はぜひ」という代替案を添えることで、角を立てずにこちらの意図を届けることができます。
③日常で使う〈思考の言葉〉を整える
思考の癖を変えるには、日常で使う言葉を変えるのが一番の近道です。イラッとしたとき、疲れたとき、無意識に乱暴な言葉を使っていないか自分を観察してみてください。「疲れた」を「今日も一日やり切った!」と言い換えてみる。そうした日々の積み重ねが、いざというときの文章力=人間力を作ります。
小手先のテクニックの前に整えるべきは自分自身の《あり方》
発信や接客において、「どう書けば集客できるのか」「どんなテクニックを使えばバズるのか」というノウハウばかりを追いかける人は本当に多いです。
もちろん、最低限の知識や手法は大切です。
けれど、小手先のテクニックだけで集めたお客さまは、小手先の理由で簡単に離れていってしまいます。
最後に人を動かし、深い信頼関係を築くのは、いつだって画面の向こう側にいるあなた自身の人間味と一貫性、そして《あり方》です。
文字は、あなたの心を映し出す鏡です。
だからこそ、誤魔化そうとするのではなく、自分自身の思考を整え、目の前の相手を大切に思う気持ちをそのまま言葉に乗せていくこと。
今日、あなたが誰かに送るその1通のメッセージから。
今日、あなたがSNSに投稿するその1つのポストから。
ぜひ、選ばれるプロとしての言葉を丁寧に届けてみてくださいね。
その言葉の積み重ねが、あなた自身の価値と信頼を確実に作っていきますよ。